
こんにちは。
名古屋で住宅購入を検討している方専門の不動産エージェントとして活動している満月FP宅建士事務所の代表の望月です。
FPとしても活動しているため、特に資産形成として住宅購入を検討されている方に支持されております。
FPとしての知見を活かした住宅購入のアドバイスを受けたい方はぜひ弊社にご相談ください。

望月さん、こんにちは。
望月さんの言う不動産エージェントって普通の不動産屋さんと何が違うんでしょうか?

かしこまりました。
最近よく聞きますよね。定義もあいまいで世間の方の混乱を招いているような気もします。
それでは本日は不動産エージェントと不動産仲介営業の違いについてご説明します。
1.不動産仲介営業と不動産エージェントの違い
そもそも不動産エージェントという言葉に厳密な定義はございません。
昔から日本で言われてきていた仲介営業に対して、差別化の意味合いで使われだしたのだと推測されます。
なので大事なことは不動産エージェントと名乗っている方の素性をよく調べたり、不動産仲介営業とどう差別化をしているのかを確認することが大事です。
ただし、世間一般的に不動産仲介営業と不動産エージェントの大きな違いは会社員(サラリーマン)か個人事業主かの違いかと思います。
不動産仲介営業も不動産エージェントも、不動産仲介を業として行うには、宅建業免許が必要になります。その宅建業免許を取得するには大きく3つの要件が必要です。
- 人的要件・・・従業員5人に1人以上の専任の宅建士が必要
- 事務所要件・・・規定に則った事務所が必要。自宅兼用はなかなかに厳しい
- 金銭的要件・・・営業保証金1000万円または保証協会への加入(加入金等で200万円以上)

宅建士と宅建業免許は違うんだね
不動産仲介営業はこの宅建業免許を取得した会社と雇用契約を結んだ関係にあるといえます。


社員は雇用契約で定められた決まった給料がもらえるので毎月の生活が安定しています。
不動産業界は給料とは別に売り上げに応じたインセンティブ(歩合給)を支払っている会社も多いのが特徴です。
対して不動産エージェントは宅建業免許を取得した会社と業務委託契約を結んだ関係にあるといえます。


不動産エージェントは会社と業務委託契約を締結する個人事業主(フリーランス)の方々です。
契約内容にもよりますが、一般的にはエージェントが作った売上に対して1~3割程度を法人が、残りを報酬としてエージェントに還元している会社が多いと思います。
一昔前は不動産仲介会社を独立する場合には、自分で宅建業免許を取って不動産会社を起業していたと思いますが、業務委託という形態をとることで、独立のハードルを引き下げ、多くの独立志望者のニーズを汲んでいると推測されます。
冒頭にもお伝えしたとおり、不動産仲介営業と不動産エージェントに厳密な定義はありませんので雇用関係を結んでいても不動産エージェントと名乗っている会社もあります。あくまでわかりやすい差別化として、一般的にはこのように分かれている程度にご理解ください。

雇用関係と業務委託の関係の違いだということはなんとなくわかりました。
ですが、それによってどう変わるんでしょうか?

一番の違いは不動産仲介業への向き合い方でしょう。
不動産エージェントは個人事業主として自分自身で顧客を獲得しなければ生計が立ちません。
したがってお客様獲得のために自分自身をブランディング化し、人伝で紹介がもらえるように自分磨きを怠りません。
2.弊社が定義する不動産エージェント

ここでは弊社が定義する不動産エージェントについて説明します。
- 高度な専門性があること
- 強い倫理観をもっていること
- 集客方法を物件広告に頼りすぎていないこと

それぞれみていきましょう
高度な専門性があること
不動産エージェントはその専門性の高さからお客様に選ばれることも多いです。
不動産は多種多様であり、一つとして同じものはありません。

例えば、収益不動産の売買経験が豊富なエージェントだったり地役権や借地権といった一風変わった特殊な土地の売買に精通したエージェントだったり山林等の都市計画区域外の売買に精通したエージェントだったり。。。
すべてを網羅しているエージェントもいないでしょう。
自身の専門性をしっかり訴求し、専門家ならではの提案をしてくれるエージェントを見つけましょう。

分かりやすいところでエージェントが保有する専門資格を参考にしてみるのもいいかもしれません。
不動産エージェントとして活動している方は、宅建士以外にも高度な専門資格を保有している方が多くみえます。
私も自身の強みとして1級FP技能士の資格を持ち、ほかの不動産営業ではできない高度な資金計画に大変ご好評をいただいております。
強い倫理観を持っていること
私は不動産エージェントの大事な信念として、顧客利益の最大化だと思っています。
不動産エージェントは不動産取引に精通していない個人の売主・買主の代わりに動く、弁護士のようなものだと思っています。

間違っても仲介という立場において、エージェントと依頼者(売主または買主)の情報格差を利用して『依頼者が損しようが自分が儲けられればそれでいい』という考え方はしてほしくないと思っています。
私はそんな強い倫理観を持っているので、不動産エージェントと名乗る方は皆そのくらいの倫理観を持ち合わせてほしいなと思っています。
弊社では両手取引を原則禁止にしていますが、それも倫理観のもとです。
両手取引についてはこちらの記事で詳しく説明していますので是非そちらもご参考ください。
弊社の特徴

情弱ビジネスってビジネスを起こす者として全く惹かれないです。
特にそれが売り手、買い手という関係性ならまだしも、買主のまたは売主の依頼者である『仲介業者』という立場で依頼者(情報弱者)を騙したり契約行為の判断に必要な情報をあえて伝えなかったりするのは嫌ですね。
弊社では口先だけでなく、仲介業務と報酬の明示化を行うことで強い倫理性を担保しています。
弊社の仲介サービスについてはこちらのページをご参考にしてください。
不動産仲介サービス
集客方法を物件広告に頼りすぎていないこと
不動産仲介会社というのは新築を建てるわけでもなく、自社の物件を販売するわけでもありません。あくまで個人の売主様の不動産の売却を仲介したり、個人の買主様の住宅購入の仲介をするお仕事がメインであり、いわゆる仕入れや在庫がありません。
では何にお金を使っているかというと、広告費です。
皆さんが何気なく見るSUUMOやHOME’sといった物件情報サイトですが、不動産会社の莫大な広告費投入によってあれだけの情報量の物件情報を消費者の皆さんがタダで見れていることになります。
物件広告に頼りすぎると自分自身のブランディングをしなくても物件でお客様を集客、成約まで運べてしまえるため営業マンのレベルは上がりませんし仲介の質も低いです。
また物件広告のあまりの高さに、そのかけた経費を回収するために両手取引を積極的に狙いに行くようになります。

買主視点から見て両手取引って何か不都合なことあるんでしょうか?
直接売主とつながってる担当者に値交渉してもらえてよさそうな気がするんですが・・・

その物件を売りたい担当者がつくということは、買主様にとって都合の悪いことは言わない可能性が高いです。また契約書の特約内容も買主様にとって不利な特約内容を盛り込んでいる可能性もあります。でもそれが自分にとって不利かどうか相談できる担当者がいない状態です。両手取引が必ずそうだというわけではありませんが、少なくとも自分で担当者探しをしたわけではなく、物件サイトから問い合わせをして担当になった営業は「両手取引チャンス」と目を輝かせている可能性が高いです。

こわいですね・・・
どうすればいいですか?

まずは物件から問い合わせるのをやめて信頼のできる担当者探しから始めるのが一番です。
判断基準が分からなければ、私が掲げてる不動産エージェントの定義を満たしてるかどうかを参考にしてもらうといいと思います。
またもし物件から問い合わせてしまった場合、案内だったり資金計画をしてもらう前に、もし両手取引の物件を提案する場合、事前に教えてもらえるか、また両手取引の場合仲介手数料の減額の余地はあるのかの確認をしてみるといいと思います。

わかりました。
担当者探しが大事なんですね。
肝に銘じておきます。
特に物件広告にたくさん経費かけてる会社(SUUMOとかに物件をたくさん載せている会社と読み替えて差し支えありません)のほとんどが売上至上主義の体制が昭和時代から変わっていないと思います。
売上至上主義は売上を上げる営業マンが正義で、上げ方はそこまでとやかく言われないでしょうから違法行為の囲い込みだろうが何だろうがやってるところはやってます。
そういう意味でも危険回避の一つとして売上至上主義っぽい不動産会社は避けておくといいかもしれません。
3.不動産仲介業者が向いている人
不動産仲介業者が向いている人は担当者選びが面倒な方だと思います。
不動産仲介業者の中でも特に大手仲介業者では、基本的に住宅購入の相談は新人や2年目などの経験の浅い営業マンが担当することが多いです。
ただバックにはもちろん経験豊富な上長がいますし、大きな仲介業者であれば万が一のサポートも安心と思える方は不動産仲介業者が向いてると思います。
地場の小さな不動産仲介業者や一定地域の中堅の不動産仲介業者は担当者の年齢が結構高いことが多く、知識がアップデートされてない営業が散見されます。
特に事前審査とかで銀行を1行しか提案してこないとかだと、あまり引き出しがない担当者であることが多いので要注意です。
4.不動産エージェントが向いている人
不動産購入で失敗したくない人、そのために担当者選びという地味な作業をしっかりできる人は不動産エージェントが向いてると思います。
不動産エージェントの中でも、倫理観が強いエージェントもいれば倫理観が強くない私の定義からは外れるエージェントもいて玉石混交なので見極められるかが失敗しない住宅購入のポイントです。
倫理観を強めようとすると過度な広告ができなくなり、当然なかなか消費者の皆様に正しい情報が届きにくくなります。
消費者の皆様も広告に踊らされることなく、複数の情報を整理して取捨選択できる方は、不動産エージェントから住宅購入をするほうが向いているかと思います。
5.まとめ
不動産仲介業者も不動産エージェントも厳密には定義はないのでどっちがいいというのはありません。
大事なのは担当者が自分の意見や価値観をよくヒアリングして、ベストな提案をしてくれるかが大事です。
不動産仲介業者の営業マン(会社員)だから自分じゃなくて会社のほうを見て営業してるとか不動産エージェントだから安心だとかそんな中身のないことを言いたいのではなく、しっかりと吟味すべきは物件ではなく担当者であるということをぜひ消費者の皆さんは肝に銘じていただければと思います。
会社員でも会社のほうではなくお客様のことを1番に思って対応してくれる心優しき営業マンもいるし、独立した敏腕営業マン(不動産エージェント)が正しい倫理観を持って不動産仲介に臨んでいるとは限らないわけです。
ぜひ信頼できる不動産エージェントを探してみてください。
- 不動産仲介業者と不動産エージェントは明確な定義はない
- 一般的には不動産仲介業者の営業はサラリーマン、不動産エージェントは個人事業主の雇用関をとっている
- 不動産エージェントと名乗ってる人は、そもそも不動産仲介という仕事に対する姿勢が不動産仲介業者の担当者とは違う
- 弊社の不動産エージェントの定義は以下の3つを満たしているエージェントのことを言う
①高度な専門性を有する
②強い倫理観を持つ
③物件広告に頼らない集客方法 - 専門性は実務経験を確認するとともに、保有資格を確認してみることも有効的
- 倫理観を測る基準は、口先だけでなく仕組みで解決していたらより信頼感に足ると思われる。
例えば両手取引は禁止にしているなど。 - 物件広告が馬鹿みたいに高いことを知る(特にSUUMO)。
- 住宅購入を成功するにはいい物件ではなく、いい担当者に巡り合うこと。だからまずは担当者探しをすることが大事である。
- 住宅購入において担当者選びに時間をかけたくない、すぐに物件を見たいという方は不動産仲介業者がおすすめ。
- 物件みることより、失敗したくない、じっくり自分に合った担当者から住宅を購入したいという方は不動産エージェントがおすすめ